症例の数々
「この症状は何科だろう?」「田町クリニックではどんな症状を診てもらえるの?」などの質問にお応えしたく、このようなページを設けさせていただきました。参考にしていただけたら幸いです。(徐々に書き込んでいきたいと思います。脳神経外科領域、内科全般を専門としておりますが、出来る出来ない問わず困っていたら、電話またはすぐ来てください。出来る限りのことはしたいと考えております。)
発熱
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生来健康な60代女性。
1カ月ほど前から腰痛があり、近医整形外科からは湿布と痛み止めのみ処方されていた。
2日前からの発熱で近医受診。インフル・コロナ検査陰性のため解熱薬のみで帰宅。
その3日後から食事量が減り、ボーっとすることが多く、腰が悪化したため歩行も困難となり救急搬送となった。
搬送時は体温は37.5度程度であったが、意識障害・sBP<100・脈拍>90・呼吸数>25となっておりショックと判断。点滴加療を開始。
検査結果からは敗血症。加えて左腸腰筋膿瘍と椎体炎も認められた。
感染路として尿路感染→血液→腸腰筋膿瘍と椎体炎が考えられた。
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感染には抗生剤、ショックに対してノルアドレナリンを加え加療。
2日後にはバイタルは安定。腸腰筋膿瘍に対しては直径3.5cm以上あったためドレナージを施行した。
リハビリも含め3か月後に腰痛もなくなり、自宅退院となった。
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物忘れ
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健康な70代女性。
1年前から物忘れが多くなってきた。
計算も苦手になってきた。字も書けなくなってきた。
行った場所を忘れることがある。
自身自覚はある。
脂質異常症に対し近医で内服薬あり。
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採血では異常所見なし。
症状と神経心理学的検査およびMRIでの脳萎縮部位が一致(Z-score=2.8)。
アルツハイマー型認知症として内服薬で加療。
2カ月後、行った場所の話もしてくれるようになった。質問の返答は遅延があるが正解する。
4カ月後。徐々に明るくなっていく。神経心理学的検査のフォローでも+2点上昇。
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喋りずらい.口が回らない |
前日まで仕事をしていた.
朝起きると、喋りづらい症状あり。
朝食の時も軽度むせこみ、おかしいと思い他院を受診。
同病院でMRI検査を受けたが問題ないと言われ帰宅。
しかし、手の麻痺が出現したため当時勤めている病院を受診された。
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症状からは脳梗塞があることは明らかであったため、本人に同意を取り点滴加療をしながら再度MRIを行ったところ、散在する脳梗塞を認めた。
心房細動も認められ心原生脳梗塞と診断し、点滴加療と早期リハビリテーションで治療。幸いにも1カ月後自宅退院可能となった。 |
歩行障害,認知機能低下,夜間の異常行動
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健康な60代男性。
1-2年前から徐々に歩行困難。
2-3カ月前から尿失禁。ろれつが回らなくなり、記憶も曖昧に。
また、夜間異常行動も出現したため心配になり受診。
歩行はwide baseであるが、扉の場所で足が進まない症状も併せ持っていた。
もっとも疑われる水頭症を否定するため頭部MRIを施行。DESH所見を認めたためtap testを施行。
歩行は安定性が増しただけだったが、尿失禁はほぼなくなり、認知症は10%以上の改善を認めたためシャント術(肥満体形であった為、VAshunt)を施行。
歩行は改善、尿失禁は認めず認知機能も軽度改善したが、夜間異常行動は改善せず。
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DATスキャンで精査したところ、DLBを疑う所見あり。レム睡眠行動異常症と考え加療。
現在では普通に生活をされている。
水頭症およびDLB(RBD)の合併症例と考えられた(経過からPDDとは考えていない)。
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